Japanese
English
症例報告
灯油皮膚炎の3例
Three cases of kerosene dermatitis
紺野 隆之
1
,
紺野 恵理子
1
Takayuki KONNO
1
,
Eriko KONNO
1
1公立置賜総合病院皮膚科
1Department of Dermatology,Okitama Public General Hospital,Kawanishi,Japan
キーワード:
灯油皮膚炎
,
経皮吸収
,
発熱
Keyword:
灯油皮膚炎
,
経皮吸収
,
発熱
pp.725-728
発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102399
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要約 症例1:85歳,男性.灯油の吸着した衣服を着用し,右下肢,体幹右側に灯油皮膚炎を受傷した.3日目に38℃の発熱があり,翌日には解熱して受傷6日目にほぼ上皮化した.症例2:85歳,女性.ズボンに灯油がかかり,右大腿,臀部に灯油皮膚炎を受傷した.5日目に37℃台の発熱があり,2日で解熱して受傷12日目にほぼ上皮化した.症例3:84歳,女性.灯油のかかった着衣を着たまま就寝し,右大腿,両下腿に灯油皮膚炎を受傷した.4日目に38.9℃の発熱があり,翌日には解熱した.受傷7日目にほぼ上皮化した.灯油皮膚炎では時に,腎障害,肝障害,意識障害,筋融解などの臓器障害を合併することがあるが,自験例では3例とも受傷後3~5日目に発熱がみられた.いずれも経過観察のみで2日以内に解熱したことから,経皮を含め何らかの経路で体内に吸収された灯油による反応である可能性も考えられた.
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