Japanese
English
症例報告
多発限局型と考えたpagetoid reticulosisの1例
A case of localized multiple pagetoid reticulosis
紺野 隆之
1
,
三橋 善比古
1
,
紺野 恵理子
1
,
近藤 慈夫
1
,
伊藤 義彦
2
Takayuki KONNO
1
,
Yoshihiko MITSUHASHI
1
,
Eriko KONNO
1
,
Shigeo KONDO
1
,
Yoshihiko ITO
2
1山形大学医学部情報構造統御学講座皮膚科学分野
2明石医院
1Department of Dermatology,Yamagata University School of Medicine
2Akashi Clinic
キーワード:
pagetoid reticulosis
,
Woringer-Kolopp病
,
Ketron-Goodman病
,
皮膚潰瘍
Keyword:
pagetoid reticulosis
,
Woringer-Kolopp病
,
Ketron-Goodman病
,
皮膚潰瘍
pp.868-871
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100247
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要約
66歳,女性.5年前より頭頂部に潰瘍形成を繰り返す紅斑局面があった.初診時,頭頂部に潰瘍を伴う径3cmの比較的境界明瞭な紅斑あり.自覚症状はなかった.背部,左側頭部にも鱗屑をつける紅斑があった.組織所見では,表皮基底層を中心に,大型で濃染する核をもち,胞体の明るい,いわゆるPaget細胞様外観を呈する異型細胞が表皮内に浸潤し,潰瘍部の真皮には,濃染する大型の核をもつ細胞,核分裂像を認めた.免疫組織化学的所見は,表皮内および真皮内にみられる異型細胞は,CD3陽性,CD4,CD8ともに陰性のTリンパ球であった.頭頂部と背部の紅斑は切除し,側頭部の紅斑には放射線照射を行った.pagetoid reticulosisの本邦報告例を検討したところ,皮疹が限局した領域に複数個存在した場合でも,治療に反応し再発がない場合は限局型に分類され,予後は良い.自験例も皮疹は多発するが限局型と考えられる.しかし,限局型から播種型への移行例も報告されており,今後も注意深い観察が必要である.
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