Japanese
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治療
高圧乳化製法による新規ワセリン製剤DRxADの保湿能評価およびアトピー性皮膚炎患者に対する有効性ならびに安全性評価
The moisturizing effect and the evaluation of efficacy and safety of a high pressure emulsified petrolatum based new emollient,DRxAD on atopic dermatitis patients
菊地 克子
1
,
相場 節也
1
,
石崎 千明
2
,
沼野 香世子
3
,
田島 麻衣子
4
,
川島 眞
5
Katsuko KIKUCHI
1
,
Setsuya AIBA
1
,
Chiaki ISHIZAKI
2
,
Kayoko NUMANO
3
,
Maiko TAJIMA
4
,
Makoto KAWASHIMA
5
1東北大学大学院医学系研究科皮膚科学講座
2三軒茶屋病院
3有楽町皮膚科
4つばさクリニック
5東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Tohoku University Graduate School of Medicine,Sendai,Japan
2Sangenjaya Hospital,Tokyo,Japan
3Yuraku-cho Clinic of Dermatology,Tokyo,Japan
4Tsubasa Clinic,Tokyo,Japan
5Department of Dermatology,Tokyo Woman's Medical University,Tokyo,Japan
キーワード:
保湿外用剤
,
アトピー性皮膚炎
,
新規ワセリン製剤
,
ワセリン
,
角層機能
Keyword:
保湿外用剤
,
アトピー性皮膚炎
,
新規ワセリン製剤
,
ワセリン
,
角層機能
pp.513-522
発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102352
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要約 新規ワセリン製剤である保湿外用剤DRxADについて臨床試験を実施し,その機能を検証した.まずDRxAD,医薬品,医薬部外品の保湿外用剤5種類を健常人の前腕皮膚の5か所にそれぞれ塗布し,単回塗布した場合の保湿効果について角層水分量を指標として比較検討した.次に乾燥を主体とする軽微な症状を有するアトピー性皮膚炎患者36例を対象として,左右の前腕皮膚にDRxADあるいはワセリンを3週間塗布し,皮膚所見の観察,痒みの程度の問診,角層水分量および経表皮水分喪失量の測定,使用感に関するアンケートを行い,比較検討した.その結果,健常皮膚における保湿能評価試験で,DRxADは塗布直後から医薬品保湿外用剤に劣らない角層水分量の上昇と,塗布8時間後まで持続する高い角層水分量を示した.アトピー性皮膚炎患者を対象とした試験では,DRxADは塗布前と比較し,塗布期間を通して皮膚所見,掻痒,角層水分量において有意な改善を認めた.またワセリンとの比較では,特に角層水分量の上昇において有意な差を認め,その他使用感についても大きく改善されていることを示す結果を得た.安全性においてもワセリンに劣らない結果が得られ,DRxADはアトピー性皮膚炎患者の乾燥皮膚に対して有用であることが示唆された.
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