Japanese
English
症例報告
Helicobacter pyloriに対する除菌療法を試みたアナフィラクトイド紫斑の1例
A case of anaphylactoid purpura which showed the improvement following eradication of Helicobacler pylori
早川 順
1
,
岩下 健司
1
,
塩原 哲夫
1
,
高橋 信一
2
Jun HAYAKAWA
1
,
Kenji IWASHITA
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
,
Shinichi TAKAHASHI
2
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2杏林大学医学部第三内科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine
23rd Department of Internal Medicine, Kyorin University School of Medicine
キーワード:
アナフィラクトイド紫斑
,
Helicobacter Pylori
,
慢性感染
,
除菌療法
,
尿素呼気試験
Keyword:
アナフィラクトイド紫斑
,
Helicobacter Pylori
,
慢性感染
,
除菌療法
,
尿素呼気試験
pp.414-417
発行日 2000年5月1日
Published Date 2000/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903254
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
慢性で再発性の経過を辿るアナフィラクトイド紫斑の71歳,男性例を報告した.精査により萎縮性胃炎とナニ指腸潰瘍が発見され,胃粘膜生検と尿素呼気試験よりHelicobacter pylori感染と診断した.アモキシシリン,クラリスロマイシン,ランソプラゾール3剤による除菌後,アナフィラクトイド紫斑の出現頻度が著明に低下したことより,紫斑の出現にHelicobacter Pyloriが関与している可能性が示唆された.近年,Helico—bacter pyloriと様々な疾患との関連が注目されているが,アナフィラクトイド紫斑に関しては我々が調べ得たかぎり海外において2例報告されているのみであった.除菌による皮疹抑制の機序は不明であるが,再発を繰り返したり経過中に腹部症状を認めたアナフィラクトイド紫斑の場合は,Helicobacter pyloriの関与を考え精査すべきである.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.