Japanese
English
症例報告
マイコプラズマ肺炎の経過中に発症したtoxic epidermal necrolysisの1例
A case of toxic epidermal necrolysis during the course of a mycoplasma pneumonia
五味 方樹
1
,
白石 由佳
1
,
満山 陽子
1
,
平原 和久
1
,
堀田 隆之
1
,
水川 良子
1
,
塩原 哲夫
1
Masaki GOMI
1
,
Yuka SHIRAISHI
1
,
Yoko MITSUYAMA
1
,
Kazuhisa HIRAHARA
1
,
Takayuki HOTTA
1
,
Yoshiko MIZUKAWA
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
マイコプラズマ
,
TEN
,
DLST
,
血漿交換
Keyword:
マイコプラズマ
,
TEN
,
DLST
,
血漿交換
pp.120-123
発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101873
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要約 47歳,女性.マイコプラズマ肺炎に対し,内科で挿管,人工呼吸器管理下にステロイドパルス療法を行った.パルス後プレドニゾロン(PSL)を急速に漸減し,7.5mg/日まで減量したところで,全身に大豆大のtarget様紅斑が出現した.紅斑は急速に多発融合し,体表面積の約80%以上のびらん局面を形成した.病理組織学的所見で表皮全層にアポトーシスを認め,toxic epidermal necrolysis(TEN)と診断した.PSLを50mg/日に増量したが,びらんの新生は止まらず,血漿交換を2日間施行した.びらんの新生は止まり,徐々に上皮化を認めた.被疑薬のDLSTは陰性であり,マイコプラズマが関与したTENと考えた.マイコプラズマによるTENの報告は少なく,しかも重症マイコプラズマ肺炎と同時発症例がほとんどである.自験例はマイコプラズマ肺炎の発症初期にステロイドパルスを行ったことがTENの発症を一時抑えたものの,その後のPSLの急激な減量が発症を誘導したものと考えられた.
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