Japanese
English
症例報告
デング熱の2例
Two cases of dengue fever
井手 麻衣子
1
,
満山 陽子
2
,
平原 和久
1
,
早川 和人
1
,
塩原 哲夫
1
Maiko IDE
1
,
Yoko MITSUYAMA
2
,
Kazuhisa HIRAHARA
1
,
Kazuhito HAYAKAWA
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2公立福生病院皮膚科
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
2Division of Dermatology, Municipal Fussa Hospital, Fussa, Japan
キーワード:
デング熱
,
デング出血熱
,
輸入感染症
Keyword:
デング熱
,
デング出血熱
,
輸入感染症
pp.663-666
発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102071
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要約 症例1:21歳,男性.インドより帰国4日後から発熱を認めた.10日後に解熱とともに掌蹠に紅斑が出現し,全身へ拡大した.四肢には毛孔一致性の小紫斑を認めた.小紫斑の病理組織学的所見は,毛囊周囲の小血管周囲性の出血を伴う小円形細胞浸潤が主体であった.症例2:30歳,女性.ブラジルより帰国2日後から発熱がみられ,8日後に解熱とともに全身に紅斑が出現した.9日後に四肢に症例1と同様の毛孔一致性の紫斑が出現するとともに,四肢の筋痛,筋力低下を認めた.ともに血小板数減少,肝機能障害があり,典型的な臨床症状と海外渡航歴,血清学的にIgM抗体陽性よりデング熱と診断した.デング熱は熱帯・亜熱帯地方では日常的にみられる感染症であり,発熱,皮疹で受診した患者に最近の海外渡航歴がある場合,念頭に置くべき疾患である.本症の皮疹の特徴や重症型であるデング出血熱に関する注意点を中心に考察を加えた.
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