Derm.2008
衛生説
橋爪 秀夫
1
1浜松医科大学皮膚科
pp.26
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101973
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ちょっと意外なことだが,と同期の友人が切り出した.患者の前で“指導”されたことを不服として,若い医師が,突然登校拒否ならぬ“通勤拒否”を起こしたらしい.詳しい事情はわからないが,全く唐突なことで驚いたという.なんとなく他人事ではすまされないような危機感をもった.人間関係を結ぶことが不得手である若者が増加していると聞く.もしかしたら,医療の世界にもこのような若者たちが増えているのかもしれない.
近年の恐るべきコンピュータの発達は,コミュニケーションの形態を大きく変えてしまっている.隣に座っているのに,メールで会話するという嘘のような話がすでに現実となっているのだ.社会もこの恩恵によって,人を介さないシステムが主流となりつつある.一方,いくら世の中が進んだとしても,医療や教育の世界では人との接触は不可欠だ.特に皮膚科のような小所帯では,患者さんはもとより,上司,看護師,他科の医師やコメディカルと上手くやることが,仕事を円滑にする大きな鍵となっているような気がしている.
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