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特集 最近のトピックス2008 Clinical Dermatology 2008
5. 皮膚科医のための臨床トピックス
油症の現況
Current aspects of Yusho
吹譯 紀子
1
,
内 博史
1
,
柴田 智子
1
,
上ノ土 武
1
,
古江 増隆
1
Noriko FUKIWAKE
1
,
Hiroshi UCHI
1
,
Tomoko SHIBATA
1
,
Takeshi UENOTSUCHI
1
,
Masutaka FURUE
1
1九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Kyushu University Graduate School of Medical Science, Fukuoka, Japan
キーワード:
カネミ油症
,
PCB
,
PeCDF
,
診断基準
Keyword:
カネミ油症
,
PCB
,
PeCDF
,
診断基準
pp.143-145
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101964
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要約 カネミ油症が発生してから40年が経過しようとしているが,油症患者の多くは依然として油症の症状に苦しんでいる.油症研究治療班では長年データの蓄積と治療法の確立に努めており,近年も新たな知見が得られている.①比較的少量の血液からダイオキシン類を測定することが可能となり,測定値を項目に含む新たな診断基準を作成した.②油症特有の皮膚症状は現在でも患者の約3割に存在し,少数ながら重症例も認められる.③油症患者において骨・関節疾患が正常人に比べて増加している可能性があり,今後詳しく検討する.④油症に対する有効な治療法の確立のために,漢方薬やコレスチミドの内服による臨床試験を行っている.油症研究は患者のみならず,近年社会的に関心が高まりつつあるダイオキシンに曝露されている一般の人々の間でも関心が高まりつつあり,今後の発展が期待される.
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