特集 公害とその後
油症その後
吉村 健清
1
Takesumi YOSHIMURA
1
1産業医科大学臨床疫学教室
pp.544-549
発行日 1987年8月15日
Published Date 1987/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207518
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■はじめに
油症事件は,昭和43年に福岡県,長崎県を中心として,汚染食用油の摂取によって起こった食中毒事件である.この事件が単なる食中毒事件にとどまらず,世界的に大きな衝撃を与えたのは,油症の原因物質と考えられていたPCBが,世界的に重要な環境汚染物質として注目されていたからである.
本稿では,油症についてこれまでの経緯を簡単に述べ,油症にかかわる問題点のいくつかについて言及する.
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