特集 環境汚染による健康被害者の救済
公害事例別にみた補償・救済の現状と問題点
PCB中毒=カネミ油症
梅田 玄勝
1
1北九州市民公害研究所
pp.403-406
発行日 1979年6月15日
Published Date 1979/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205856
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■はじめに
PCBによる環境汚染,そして食品公害・商品公害として争われたPCB中毒=カネミ油症事件が,1968年2月から11月にかけて歴史上未曽有の事件として西日本一帯に発生して以後,既に11年たった.
その間,被害者は認定患者だけでも1,655人(死亡58人を含む)(1978年6月15日現在)に上り,未確認被害者を含めると約14,000人に達するであろうとされている.しかし,補償と救済については,今日なお不幸にして何らの見通しはなく,判決闘争(後述)または条件付個別折衝によって,ごく僅かの慰謝料という名目の"補償"を辛うじて獲得したにすぎなかった.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.