Japanese
English
症例報告
東京都多摩地区で発生した恙虫病の2例
Two cases of tsutsugamushi disease at Tama area in Tokyo
堀田 隆之
1,2
,
満山 陽子
1
,
浅野 祐介
1
,
早川 和人
1
,
狩野 葉子
1
,
塩原 哲夫
1
Takayuki HOTTA
1,2
,
Yoko MITSUYAMA
1
,
Yusuke ASANO
1
,
Kazuhito HAYAKAWA
1
,
Yoko KANO
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2東伏見皮フ科クリニック
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
恙虫病
,
東京都多摩地区
,
間接蛍光抗体(IF)法
Keyword:
恙虫病
,
東京都多摩地区
,
間接蛍光抗体(IF)法
pp.224-227
発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101902
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要約 症例1:61歳,男性.症例2:71歳,男性.いずれも東京都多摩地区の雑木林,山中で刺咬を受けたと思われ,発熱,全身の皮疹,刺し口を認め,間接蛍光抗体(IF)法所見と併せ恙虫病と診断した.東京都で最近6年間に届出された恙虫病のほとんどは,島嶼を除くと23区内では他県や外国での感染であり,多摩地区においては全例地元での感染であった.これはいまだに,ツツガムシや宿主の野鼠の生息が十分可能な土壌が残っていることを示している.最近は刺し口を認めない新型も報告されており,届出の少なさを考えると,実際にはその一部は見逃されている可能性もある.また,2例中1例の感染株は,IF法でKuroki型の可能性が考えられた.恙虫病の確定診断は,IF法がその一助となるが,感染株の決定は困難なことも多い.最近はPCR法なども有用であり,感染後の時期に応じて使い分けていく必要があると考えられた.
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