Japanese
English
症例報告
大阪府下に発生した小児の新型恙虫病
Case of Tsutsugamushi Disease, Occurring in a Child in Osaka Prefecture
加藤 晴久
1
,
辻 卓夫
1
,
高橋 邦明
2
,
金友 仁成
3
Haruhisa KATO
1
,
Takuo TSUJI
1
,
Kuniaki TAKAHASHI
2
,
Hitonari KANETOMO
3
1大阪市立大学医学部皮膚科学教室
2高橋皮膚科医院
3大阪市立城北市民病院皮膚科
1Department of Dermatology, Osaka City University Medical School
2Takahashi Dermatology Clinic
3Osaka Municipal Shirokita Hospital
キーワード:
恙虫病
,
恙虫病リケッチア
,
ギリアム株
,
間接免疫ペルオキシダーゼ反応
,
疫学
Keyword:
恙虫病
,
恙虫病リケッチア
,
ギリアム株
,
間接免疫ペルオキシダーゼ反応
,
疫学
pp.29-32
発行日 1990年1月1日
Published Date 1990/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900007
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大阪府下に発生した恙虫病につき報告した.患者は11歳,男子.1988年11月12,13日,大阪府下生駒山麓へキャンプに出かけた.11月21日,38度台の発熱,頭痛,全身倦怠が出現し,28日には全身に軽度の浸潤を触れる紅斑が出現した.29日の初診時,左腋窩部に虫の刺し口が認められたため,恙虫病を疑い,テトラサイクリン内服にて治療開始したところ,著効が得られた.経過中Weil-Felix反応は陰性.間接免疫ペルオキシダーゼ反応および間接蛍光抗体法の結果より病原恙虫病リケッチアの型はギリアム(Gilliam)株と診断した.寒い季節の発生より,フトゲツツガムシかタテツツガムシによる新型恙虫病と思われる.大阪府下の恙虫病発生はきわめて稀であり,これを報告するとともに,本症の疫学を含めて検討を加えた.
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