Japanese
English
症例報告
96%小児広範囲熱傷例に対する瘢痕拘縮形成術の経験
The treatment of a 96% TBSA infant burn scar contracture
鳥谷部 荘八
1
,
今井 啓道
1
,
藤山 幸治
1
,
館 正弘
1
,
山田 敦
1
,
澤村 武
2
Sohachi TORIYABE
1
,
Yoshimichi IMAI
1
,
Koji FUJIYAMA
1
,
Masahiro TACHI
1
,
Atsushi YAMADA
1
,
Takeshi SAWAMURA
2
1東北大学病院形成外科
2みやぎ県南中核病院形成外科
1Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Tohoku University Hospital, Sendai, Japan
2Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Miyagi South Medical Center Hospital, Miyagi, Japan
キーワード:
小児広範囲熱傷
,
同種皮膚移植
,
瘢痕拘縮
,
恵皮不足
Keyword:
小児広範囲熱傷
,
同種皮膚移植
,
瘢痕拘縮
,
恵皮不足
pp.1068-1070
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101833
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要約 適切な四肢のリハビリテーションと2回の瘢痕拘縮形成術を行った96%小児広範囲熱傷症例を経験した.一般的に熱傷後瘢痕拘縮においては,拘縮解除の皮膚欠損に対して,植皮術を要することが多い.本症例のごとく高度広範囲熱傷症例においては,恵皮不足が大きな問題になる.しかし,早期リハビリテーションと可能な限りリハビリテーションを妨げないような手術を行うことにより,関節拘縮を予防し,機能低下は現在のところ認められない.現在本邦では,広範囲熱傷に対して同種皮膚移植を中心とした植皮術によって,救命率は以前に比べ高いものとなった.しかしながら,救命後の諸問題,特に瘢痕拘縮解除後の皮膚欠損部への恵皮不足が,今後の熱傷治療の課題であると,本症例を通じて改めて明らかとなった.
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