Japanese
English
今月の症例
鼻腔内より発症したムーコル症の1例
A case of mucormycosis extended from the nasal cavity
池澤 優子
1,3
,
掛水 夏恵
1
,
河野 真純
1
,
三谷 直子
1
,
山川 有子
1
,
佐々木 哲雄
1
,
原野 浩
2
,
中嶋 弘
4
,
高鳥 浩介
5
,
池澤 善郎
3
Yuko IKEZAWA
1,3
,
Natsue KAKEMIZU
1
,
Masumi KOUNO
1
,
Naoko MITANI
1
,
Yuko YAMAKAWA
1
,
Tetsuo SASAKI
1
,
Hiroshi HARANO
2
,
Hiroshi NAKAJIMA
4
,
Kousuke TAKATORI
5
,
Zenro IKEZAWA
3
1横浜市立大学附属市民総合医療センター皮膚科
2横浜市立大学附属市民総合医療センター血液内科
3横浜市立大学医学部皮膚科学教室
4横浜市アレルギーセンター
5国立医薬品食品衛生研究所衛生微生物部
1Department of Dermatology,Yokohama City University Medical Center
2Department of Hematology,Yokohama City University Medical Center
3Department of Dermatology,Yokohama City University School of Medicine
5Division of Microbiology,National Institute of Health Sciences
キーワード:
ムーコル症
,
真菌
,
日和見感染
Keyword:
ムーコル症
,
真菌
,
日和見感染
pp.124-126
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100032
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要約
65歳,女性.1998年11月より,多発性骨髄腫の診断にて当院血液内科で化学療法を定期的に施行されていた.2001年4月に原疾患による腎不全が進行し,再度化学療法を行うも改善なく,その後骨髄抑制状態となった.同年6月に鼻根部右側に疼痛を伴う淡い紅斑が出現.数日で紅斑は中心部に壊死を伴い拡大した.初診時の鼻腔内からの培養によりムーコル症と診断.後日スライドカルチャーを施行し,形態学的特徴からMucor属の一種であるActinomucor elegansと同定された.ムーコル症は皮膚科領域においては稀な疾患であるが,免疫低下状態にある患者に日和見感染症として合併することが多い.また,同疾患は短期間で急速に周囲組織に播種するため,初発時における鏡検,培養などによる早期診断が重要と考えた.
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