Japanese
English
症例報告
タクロリムスが有効であったsclerodermatous chronic GVHDの1例
Tacrolimus for the treatment of sclerodermatous chronic GVHD
冨田 幸希
1
,
加藤 直子
1
,
夏賀 健
1
,
氏家 英之
1
,
笠井 正晴
2
Yuki TOMITA
1
,
Naoko KATO
1
,
Ken NATSUGA
1
,
Hideyuki UJIIE
1
,
Masaharu KASAI
2
1国立病院機構北海道がんセンター皮膚科
2札幌北楡病院内科
1Department of Dermatology, National Hospital Organization Hokkaido Cancer Center, Sapporo, Japan
2Department of Internal Medicine, Sapporo Hokuyu Hospital, Sapporo, Japan
キーワード:
sclerodermatous chronic GVHD (scl cGVHD)
,
ミコフェノール酸モフェチル
,
タクロリムス
Keyword:
sclerodermatous chronic GVHD (scl cGVHD)
,
ミコフェノール酸モフェチル
,
タクロリムス
pp.318-321
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101418
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要約 41歳,女性.1999年8月(35歳時)急性骨髄性白血病(AML)を発症した.化学療法施行後,2000年9月に非血縁者間同種骨髄移植(allo-BMT)を受けた.完全寛解に至ったが,急性および慢性移植片対宿主病(GVHD)を併発した.移植2年半後から肘窩に萎縮性硬化性局面が出現し,主として間擦部に拡大した.頸部,躯幹,上腕に皮膚硬化と関節の可動制限を伴った.病理組織学的に膠原線維の増生がみられた.抗核抗体は80倍と陽性,その他の自己抗体は陰性であった.sclerodermatous chronic GVHDと診断した.プレドニゾロンとシクロスポリンに加え,2005年5月からエトレチナートを開始したが,皮膚硬化の著明な改善は認められなかった.その後,ミコフェノール酸モフェチルを開始し,さらにタクロリムスを追加したところ,皮膚硬化と関節の可動制限の改善が認められた.
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