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グリーンカード(Permanent Resident Card)
アメリカで滞在するにはビザが必要である.ビザには,F-1(学生)ビザ,J-1(交換滞在者)ビザ,H-1(労働)ビザ,グリーンカード(永住者用ビザ)などがある.J-1ビザは,研究や臨床留学の際に研修期間中に限って発行され,終了後は母国に帰ることを前提とする.H-1ビザは雇用に伴うので,雇用先が変わるごとに書き換えねばならず,解雇されると当然ビザは失効する.グリーンカードの場合は,10年ごとに更新するものの,アメリカ市民とほぼ同等の扱いを受けることができる.市民との違いは,選挙権がないこと,大統領になれないこと,裁判の陪審員になれないことなどである.しかし最近は,大学の授業料や年金などの待遇に差をつけてはどうかという意見も出てきているが.
アメリカで頑張ろうと決心した1996年からグリーンカード取得のための準備をしてきた.書類審査なども無事終わり,1998年3月12日(木)に移民局で最終面接を受けるだけとなった.ここまでくれば,一安心.医学研修のマッチング(アメリカ特有の全国一斉医局入局制度.次号でこれについて詳細に記す)の発表も3月中旬に控え,今年は準備万全だ.移民局での面接直前の日曜日の夜,面接に持参する書類を確認してみた.身分証明書,現在のビザ,パスポート,申請書類,その他.
「よし,すべて手元にある.」
ビールを飲みながらパスポートを何気なく開いてみて血の気が引いていった.何とパスポートの有効期限が先月で切れていたのである…….酔いが一度に醒めていく.恐る恐る移民局からの手紙を確認すると,有効期限内のパスポート持参と明記してある.面接は木曜.今日は日曜だから後3日しかない.
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