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特集 最近のトピックス2003 Clinical Dermatology 2003
2.皮膚疾患の病態
Blaschko線の今日的意義
A present significance on Blaschko line
若杉 正司
1,2
,
小野 友道
1
Shoji WAKASUGI
1,2
,
Tomomichi ONO
1
1熊本大学大学院医学薬学研究部総合医薬科学部門感覚・運動医学講座皮膚機能病態学分野
2菊池恵楓園
1Depertment of Dermatology,Division of Medical and Pharmaceutical Research,Kumamoto University Graduate School
2National Sanatorium Kikuchi-keifuen
キーワード:
クローン
,
モザイク
,
X染色体不活化
,
エピジェネティックス
Keyword:
クローン
,
モザイク
,
X染色体不活化
,
エピジェネティックス
pp.70-74
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101235
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Blaschko線はAlfred Blaschkoにより提唱された概念である.多数の母斑性疾患あるいは後天性皮膚疾患がこのBlaschko線に沿って配列する.この線は皮膚の神経分節を示すデルマトームとは異なる.血管またはリンパ管の走行にも沿っていない.最近の知見によると,Blaschko線は皮膚を構成する表皮細胞および付属器細胞がこの線に沿って増殖,拡大することを示唆している.すなわち,1つの線に囲まれた細胞群は,発生のごく初期に分化した1個の細胞よりなるクローンであり,同様な性質をもつ細胞群であることを示している.このことはヒトの皮膚疾患を考えるうえで,皮膚の発生学からのアプローチ,つまりモザイクを視点に入れる必要があることを示唆している.このクローンの異なる可能性について,X染色体不活化,モザイク,エピジェネティックスの面から論じてみたい.
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