Japanese
English
症例報告
悪性リンパ腫患者に生じた壊疽性膿瘡の成人例
Ecthyma gangrenosum in an adult with malignant lymphoma
大沢 真澄
1
,
梅本 尚可
1
,
戸田 淳
1
,
出光 俊郎
1
,
西田 淳二
2
Masumi OHSAWA
1
,
Naoka UMEMOTO
1
,
Sunao TODA
1
,
Toshio DEMITSU
1
,
Junji NISHIDA
2
1自治医科大学付属大宮医療センター皮膚科
2自治医科大学付属大宮医療センター血液内科
1Division of Dermatology,Jichi Medical School Omiya Medical Center
2Division of Hematology,Jichi Medical School Omiya Medical Center
キーワード:
膿皮症
,
皮膚潰瘍
,
緑膿菌
,
敗血症
,
免疫不全
Keyword:
膿皮症
,
皮膚潰瘍
,
緑膿菌
,
敗血症
,
免疫不全
pp.757-759
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100781
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54歳,男性.悪性リンパ腫で放射線治療中,発熱とともに左下腿に水ほうと出血を伴った紅斑が出現した.水ほう蓋の下には深い潰瘍がみられ,水ほう内容の細菌培養ではPseudomonas aeruginosaが分離された.動脈血培養ではPseudomonas aeruginosaおよびEscherichia coliが検出され,敗血症を併発した壊疽性膿瘡と診断した.さらに陰嚢にも黒色壊死性痂皮を被る小潰瘍が多発し,患者は下腿の皮疹発生から4週間後に悪性リンパ腫の全身転移で死亡した.皮膚科領域における緑膿菌による壊疽性膿瘡の成人報告例は少ないが,エイズの流行や強力な癌化学療法の進歩とともに,今後増加すると考えられるため,本疾患に対する再認識が必要と考えられる.
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