Japanese
English
今月の症例
クワシオルコール様症候群の1例
A case of secondary kwashiorkor syndrome
上中 智香子
1
,
廣井 彰久
1
,
上出 康二
1
,
古川 福実
1
,
川口 雅功
2
Chikako KAMINAKA
1
,
Akihisa HIROI
1
,
Kouji UEDE
1
,
Fukumi FURUKAWA
1
,
Masao KAWAGUCHI
2
1和歌山県立医科大学医学部皮膚科学教室
2済生会和歌山病院内科
1Depertment of Dermatology,Wakayama Medical University
2Depertment of Internal Medicine,Wakayama Saiseikai Hospital
キーワード:
クワシオルコール様症候群
,
胃切除
,
壊死性遊走性紅斑
,
必須アミノ酸
Keyword:
クワシオルコール様症候群
,
胃切除
,
壊死性遊走性紅斑
,
必須アミノ酸
pp.411-413
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100692
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51歳,男性.肝硬変および初期胃癌で胃部分切除術の既往あり.初診の40日前から食思不振および下腹部,大腿,腰部の皮膚症状や粘膜症状の出現のため受診した.初診時の皮膚臨床所見は,側腹部,腰臀部,大腿内側に赤褐色丘疹が集簇,一部融合し落屑を伴っていた.背部は皮脂欠乏性皮膚炎様,口角,肛囲,眼角,亀頭粘膜にびらんを伴う紅斑,下腿は著明な浮腫を示し,頭髪は粗であった.生検では表皮壊死像を認めた.血液検査では著明な低蛋白血症と貧血,各種ビタミン,亜鉛の低値,必須アミノ酸の著しい低下が認められたが,糖尿病はなくグルカゴン値は正常であった.また,腹部CTでは膵臓に異常は認めなかった.以上より本症をクワシオルコール様症候群と診断した.その後経口高カロリー栄養食で皮疹は悪化するも中心静脈栄養で皮疹は急速に改善し,小腸透視では内ヘルニアを認め,小腸の内容停滞不良による蛋白吸収不全が原因と考えられた.
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