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特集 最近のトピックス 2006 Clinical Dermatology 2006
5. 皮膚科医のための臨床トピックス
悪性黒色腫の新しい血清マーカー―glypican-3とSPARC
New melanoma serum markers:Glypican-3 and SPARC
影下 登志郎
1
,
福島 聡
1
,
尹 浩信
1
,
西村 泰治
2
,
中面 哲也
3
Toshiro KAGESHITA
1
,
Satoshi FUKUSHIMA
1
,
Hironobu IHN
1
,
Yasuharu NISHIMURA
2
,
Tetsuya NAKATSURA
3
1熊本大学大学院医学薬学研究部皮膚機能病態学
2熊本大学大学院医学薬学研究部免疫識別学
3国立がんセンター東病院がん治療開発部
1Department of Dermatology,Graduate School of Medical and Pharmacological Sciences,Kumamoto University
2Department of Immunogenetics,Graduate School of Medical and Pharmaceutical Sciences,Kumamoto University
3Immunotherapy Section,National Cancer Center Hospital East
キーワード:
メラノーマ
,
腫瘍マーカー
,
glypican-3(GPC3)
,
SPARC
Keyword:
メラノーマ
,
腫瘍マーカー
,
glypican-3(GPC3)
,
SPARC
pp.169-172
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100614
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要約 悪性黒色腫(メラノーマ)の新しい血清マーカーとしてglypican-3(GPC3)とSPARCを同定した.GPC3はヘパラン硫酸プロテオグリカンファミリーに属する糖鎖修飾が強いGPIアンカー蛋白であるが,肝細胞癌とメラノーマに特異的に発現している.血清GPC3はメラノーマの約40%で検出されるが,健常人では検出されない.一方,SPARCはシステインに富む酸性分泌蛋白で,メラノーマに高頻度に発現している.血清SPARCはメラノーマの約30%で検出されるが,健常人ではほとんど検出されない.両者は早期メラノーマにおいても検出され,いずれかが陽性を示す症例は0期88%,Ⅰ期48%,Ⅱ期71%である.両者を併用することで早期メラノーマが血清学的に診断可能になる.
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