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特集 最近のトピックス 2006 Clinical Dermatology 2006
5. 皮膚科医のための臨床トピックス
皮膚stem cellによる再生医療
Regenerative medicine by use of stem cells in skin
大河内 仁志
1
Hitoshi OKOCHI
1
1国立国際医療センター研究所細胞組織再生医学研究部
1Department of Tissue Regeneration,International Medical Center of Japan,Research Institute
キーワード:
stem cell
,
再生医療
,
培養皮膚
,
多能性幹細胞
Keyword:
stem cell
,
再生医療
,
培養皮膚
,
多能性幹細胞
pp.163-165
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100612
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要約 皮膚stem cellによる再生医療は,皮膚科領域のみならず皮膚以外の領域にも応用可能なことから注目されている.皮膚科領域においてはすでに培養表皮が熱傷などの治療に臨床応用されている.培養真皮も治験の段階にあり,今後,血管新生を促進するような工夫や付属器を伴った培養皮膚の開発が望まれる.まだ動物実験段階であるが,培養表皮細胞と培養毛乳頭細胞の混合移植による発毛誘導の開発も行われている.一方,表皮にも真皮にも脂肪組織にもそれぞれ多能性幹細胞の存在が示唆されているので,その多能性を生かして骨・軟骨細胞や筋細胞,神経細胞に分化させて治療に使う基礎研究が進められている.特に脂肪組織由来の間葉系幹細胞は採取が容易なため,今後,骨髄由来の細胞と同様に血管新生をはじめとして広く利用される可能性がある.
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