特集 現代医学・生物学の仮説・学説2008
3.発生・分化・老化・再生医学
Cancer stem cell
石川 健二
1
,
森 正樹
2
Kenji Ishikawa
1
,
Masaki Mori
2
1九州大学生体防御医学研究所分子腫瘍学
2大阪大学大学院医学系研究科消化器外科学
pp.406-407
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100535
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癌幹細胞(cancer stem cell)は1994年に急性骨髄性白血病において初めて同定され1),近年固形癌においてもその存在が報告されている。癌幹細胞は自己複製能および多分化能を有するごく少数の細胞集団で,それらが分裂・増殖・分化することで腫瘍を形成・維持していると考えられている。また,癌幹細胞は抗癌剤や放射線に対して強い耐性を有し,癌の再発・転移に深く関与すると推察されている。本稿では癌幹細胞に関するこれまでの知見を概説するとともに将来への展望について述べる。
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