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特集 最近のトピックス 2006 Clinical Dermatology 2006
2. 皮膚疾患の病態
道化師様魚鱗癬の原因蛋白ABCA12について
Molecular pathogenesis of harlequin ichthyosis
秋山 真志
1
Masashi AKIYAMA
1
1北海道大学病院皮膚科
1Department of Dermatology,Hokkaido University Hospital
キーワード:
道化師様魚鱗癬
,
ABCA12
,
層板顆粒
,
脂質輸送
,
ABC transporter
Keyword:
道化師様魚鱗癬
,
ABCA12
,
層板顆粒
,
脂質輸送
,
ABC transporter
pp.49-54
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100591
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要約 道化師様魚鱗癬(harlequin ichthyosis)は,出生時より全身の皮膚が非常に厚い板状の角層に覆われ,著明な眼瞼外反,口唇の突出開口を認める最重症型の先天性魚鱗癬であり,患児は生後1~2週間以内に死亡する例が多く,最も重篤な遺伝性皮膚疾患の1つである.筆者らは2005年,この道化師様魚鱗癬の病因蛋白がATP-binding cassette (ABC) transporterの1つであるABCA12であることを世界に先駆けて同定した.さらに筆者らは,ABCA12が表皮の顆粒層細胞に強く発現し,層板顆粒に存在すること,ABCA12は層板顆粒を介したセラミドなどの脂質の輸送に働いていることを明らかにし,正常ABCA12の遺伝子導入により患者培養表皮細胞の表現型の改善に成功した.ABCA12の機能障害は,角層のバリア機能に重要な角層細胞間脂肪層の形成不全をきたし,本症の原因になっていると考えられる.
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