Japanese
English
症例報告
限局性皮膚ノカルジア症の1例
A case of localized cutaneous nocardiosis
南谷 洋策
1
,
井上 小保理
1
,
小方 冬樹
1
Yosaku MINATANI
1
,
Sahori INOUE
1
,
Fuyuki OGATA
1
1立正佼成会附属佼成病院皮膚科
1Department of Dermatology,Kosei General Hospital
キーワード:
限局性皮膚ノカルジア症
,
Nocardia brasiliensis
,
局所温熱療法
Keyword:
限局性皮膚ノカルジア症
,
Nocardia brasiliensis
,
局所温熱療法
pp.188-191
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100526
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要約 70歳,女性.C型肝炎の既往がある.庭仕事で左肘部を虫に刺され,搔破していたところ,翌日より同部に膿瘍を形成したため当科を受診した.左肘部外側に,潰瘍を一部に伴う浸潤性紅斑局面を認めた.同側腋窩リンパ節腫脹はなかった.生検では,真皮~皮下に広範囲に好中球主体の密な炎症細胞浸潤を認めた.同部からの細菌培養で原因菌をNocardia brasiliensisと同定し,限局性皮膚ノカルジア症と診断した.セフジニル,イミペネムに抵抗性であり,ミノサイクリン点滴静注,局所にはスルファジアジン銀塗布とカイロによる局所温熱療法を施行し,約10日間で瘢痕治癒した.その後,2年間再発をみない.局所温熱療法は比較的容易に行え,副作用も少なく,抗菌薬の治療効果の増強を期待できると考えた.
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