特集 高齢者の耳鼻咽喉科・頭頸部疾患—治療とリハビリのてびき
8.高齢者の頭頸部悪性腫瘍
①加齢と頭頸部癌
齊川 雅久
1
,
海老原 敏
2
,
吉積 隆
3
1国立がんセンター東病院頭頸科
2国立がんセンター東病院
3群馬県立がんセンター頭頸科
pp.123-128
発行日 1998年4月30日
Published Date 1998/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902709
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はじめに
わが国の平均寿命は世界でもトップを争う水準にあるが,近年ますます増加傾向を示し,平成8年には男性77.01歳,女性83.59歳に達した。悪性腫瘍の期待発生率は高齢になるほど増加するため,当然のことながら高齢者の悪性腫瘍を診療する機会は増えてきている。特に頭頸部癌の場合には自覚症状が出やすく,また条件さえ整えば高齢者で 治療が可能であるため,高齢者での治療を実際に検討する機会が増加している。
高齢者の定義を何歳以上とするかについては諸説があるが,頭頸部癌の場合70歳代の患者を診療することは珍しいことではなくなっているように思われる。そこで本稿では高齢者を80歳以上の患者と定義し,80歳以上の頭頸部癌患者に対する治療方針の立て方や実際の治療における注意点について考察していきたい。
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