トピックス 舌癌の治療
Stage Ⅲ,Ⅳ症例の治療
国立がんセンターの場合
海老原 敏
1
,
真島 一彦
1
,
吉積 隆
1
,
斉川 雅久
1
,
大田 洋二郎
1
1国立がんセンター頭頸部外科
pp.604-608
発行日 1991年8月20日
Published Date 1991/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900324
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はじめに
舌癌の治療は早期のものであれば,小線源治療,小切除,凍結療法などの保存的治療法でよく制御できる。しかし病期がⅢ期,Ⅳ期となると外科療法が主体となるのが一般的である。現在本邦で広く用いられているUICCの臨床分類TNM分類の病期分類にはⅢ期にはT2N1,Ⅳ期にはanyT,N2N3,MO,anyT,anyN,M1,が含まれており,同じ期の中でも様々な原発巣,リンパ節転移巣が含まれている。
われわれの施設でのⅢ期,Ⅳ期の舌癌に対する治療選択とその成績について述べる。治療選択に当たっては,臨床的な進度のほかに病理組織学的悪性度,臨床病型—進展様式などを考慮して治療法を決定するが,いくつかの選択枝がある場合は,各治療法の長所短所について十分な説明をした上で患者自身に選択を委ねることになる。なおここでのTNM分類はUICCの1987年のものを用い,過去に遡って分類しなおしたものである。
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