Japanese
English
原著
舌に発生した“真性癌肉腫”の1症例
True Carcinosarcoma of the Tongue:A Case Report
折田 頼尚
1
,
小河原 利彰
1
,
頼実 哲
1
,
山鳥 一郎
2
,
西崎 和則
3
Yorihisa Orita
1
1国立岡山病院耳鼻咽喉科
2国立岡山病院臨床検査科
3岡山大学医学部耳鼻咽喉科学教室
1Department of Otorhinolaryngology, Okayama National Hospital
pp.219-222
発行日 2000年3月20日
Published Date 2000/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902128
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はじめに
癌肉腫は上皮性の癌腫と非上皮性の肉腫が同時に認められるものをいうが,特に真性癌肉腫についていえば,われわれの検索し得た範囲においては,和文,英文合わせてその報告は70に満たない。癌肉腫は主として60〜70歳台男性に多くみられ,発生部位としては頭頸部領域では喉頭,口腔,咽頭,食道の順に頻度が高いとされている1)。その組織発生,組成などについてはまだ種々の意見があるが,現在のところ“癌肉腫”は,①いわゆる癌肉腫,②偽肉腫,③真性癌肉腫の3種類に分けられており2),今回われわれはその中でも比較的稀とされる③の“真性癌肉腫”と思われる症例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する。
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