Japanese
English
症例報告
舌に発生した脂肪腫の1例
A case of lipoma of the tongue
杉澤 裕
1
,
松山 友彦
1
,
林 伸和
1
,
北原 比呂人
1
,
五十嵐 敦之
1
,
原田 昭太郎
1
,
須田 聰
2
,
斉藤 健一
2
,
原田 美貴
3
Yutaka SUGIZAWA
1
,
Tomohiko MATSUYAMA
1
,
Nobukazu HAYASHI
1
,
Hiroto KITAHARA
1
,
Atsuyuki IGARASHI
1
,
Shotaro HARADA
1
,
Satoshi SUDA
2
,
Kenichi SAITO
2
,
Miki HARADA
3
1関東逓信病院皮膚科
2関東逓信病院口腔外科
3関東逓信病院病理診断科
1Division of Dermatology, Kanto Teishin Hospital
2Division of Oral Surgery, Kanto, Teishin Hospital
3Division of Pathology, Kanto Teishin Hospital
キーワード:
舌腫瘍
,
舌脂肪腫
,
脂肪腫
,
脂肪腫症
Keyword:
舌腫瘍
,
舌脂肪腫
,
脂肪腫
,
脂肪腫症
pp.662-664
発行日 1997年7月1日
Published Date 1997/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902273
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舌の両側に発生した脂肪腫の1例を報告した.症例は63歳男性で,自覚症状のない舌の腫瘤を主訴に来院.両側舌縁部に粘膜下腫瘍を認め,右側では表面が黄白色調を呈していた.組織学的には単純性脂肪腫の像のほか,脂肪細胞が筋東間に小蜂巣を形成するように増殖する脂肪腫症の所見もみられた.舌の脂肪腫は稀な腫瘍であり,本邦では数十例が口腔外科領域を中心に報告されているが,その半数近くは両側性である.近年,舌に筋肉脂肪腫あるいはbenign symmetriclipomatosisが発生したとの報告が,主に本邦より数例みられる.自験例では筋線維の萎縮を伴わないため,筋肉内脂肪腫とはいえない.また舌のみに脂肪腫症が生じた症例は,benign symmet—ric Iipomatosisの疾患概念に合致しないと考えられる.舌の脂肪腫は臨床的に診断が可能であり,口腔内をみる機会の多い皮膚科医が念頭におくべき疾患と思われる.
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