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声帯振動からみた発声調節機構
湯本 英二
1
,
小林 丈二
2
,
兵頭 政光
2
1熊本大学医学部耳鼻咽喉科学教室
2愛媛大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.735-744
発行日 1999年10月20日
Published Date 1999/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902054
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はじめに
発声時の声帯振動は高速度カメラやストロボスコピーによって研究され,声帯下面から上面に向かう粘膜の波状運動(粘膜波動)がその本質であることが明らかにされてきた。これらの研究は口腔側から声帯上面を観察したもので,粘膜波動が声帯下面のどこでどのように起こるのかは明らかでなかった。筆者らは,声帯振動を気管側から高速度映画に記録する方法を工夫し,発声時の気流量,声帯伸展,内筋収縮が粘膜波動にどのように影響するかを検討してきた。
本稿ではイヌにおけるこれらの研究結果をまとめ,ヒト声帯振動と比較した。さらに,異なる音色の発声調節に関する仮説を記して,発声調節機構に関する研究の展望としたい。
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