特集 再建外科
II.再建部位による再建材料の選択と再建方法
6.下顎の再建
中山 敏
1
,
長谷川 泰久
1
,
藤本 保志
1
,
松浦 秀博
1
1愛知県がんセンター頭頸部外科
pp.141-147
発行日 1999年4月30日
Published Date 1999/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901984
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はじめに
口腔癌切除後の下顎再建には,肩甲骨1),腓骨2,3),腸骨4),橈骨5)などの血管柄付き骨移植から下顎骨再建用チタンプレート,ハイドロキシアパタイトなどの人工材料の方法がある。血管柄付き骨移植の利点は移植に成功すれば露出の危険性が極めて少なく,骨結合型インプラントの植立により歯牙を再建でき,咀嚼機能を向上させる可能性がある6)。しかし,利用できる自家骨には限りがあり,悪性腫瘍の再建術ゆえに,移植するタイミングが重要である。人工物は自家骨を犠牲にしない点が優れているが,感染,露出,破断の可能性がある点が欠点である。
われわれは,切除術と同一体位で採取可能で,下顎骨再建には十分な長さを有する腓骨と下顎骨再建用チタンプレートを症例,時期によって使い分けている。本稿では,腓骨による再建法を紹介するとともに,これらの再建材料の選択方法について臨床経験から考察する。
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