特集 頭頸部再建外科―日常臨床から理論まで
Ⅲ.再建部位による再建材料の選択と再建方法
6.下顎の再建
菅澤 正
1
1埼玉医科大学国際医療センター頭頸部腫瘍科
pp.105-112
発行日 2009年4月30日
Published Date 2009/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101426
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Ⅰ はじめに
口腔癌の進展例では,下顎骨の切除と周囲の軟部組織の広範な合併切除を必要とすることが多く,術後のQOL維持のためには,下顎の再建が必要となる症例が多い。その目的は,残存下顎骨の変位を防ぎ,健側の咬合を維持することで咀嚼機能を維持することであり,可能ならimplantなどが可能な骨再建が望ましい。また,顔貌の変形を修正し,社会復帰を促すこと,口腔下部の支持体を再建することで,言語明瞭度の低下を防ぐことも大きな目的となる。特に正中部の欠損は,これらの機能に大きな影響を与えることから,通常,再建は必須となる。
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