鏡下咡語
医療ビッグバンがやってくる
松永 喬
1
1星ケ丘厚生年金病院
pp.128-129
発行日 1999年2月20日
Published Date 1999/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901932
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医療ビッグバンが間近に近づいている
現在のわが国の医療は未曾有の厳しい状況に直面しているといえる。それは1997年9月の健保改正によって,社保本人の2割負担,薬剤負担など患者さんの自己負担の大幅なアップが行われ,その結果として日常医療の現場では厳しい受診抑制が起こっていることからも窺える。新聞紙上によると,厚生省の最近の発表で医療費の動向は1997年9月以降,対前年度比で大幅な減少がみられ,1998年度の国民医療費の見込み額は対前年度1.1%減の28兆8,000億円と推計され,国民皆保険発足以来史上初の医療費のマイナスの伸びに転じるとされている。また,1996年度の厚生省の事業概況では,厚生年金基金の資産総額が全体では将来の給付に備えて確保しなければならない責任準備金の額を下回り,基金全体として初の赤字といわれている。
これらの事態は昨今の金融ビッグバンと連動して,医療福祉の分野でもビッグバンが否応なしに迫り,少しずつ現実のものとして動き出さねばならないことを意味していると思う。
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