目でみる耳鼻咽喉科
われわれの行っている耳下腺多形腺腫摘出術
佐藤 靖夫
1
,
行木 英生
1
1静岡赤十字病院耳鼻喉喉科
pp.824-825
発行日 1997年11月20日
Published Date 1997/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901676
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当施設では,卒後2年目の終わり頃から研修医に耳下腺良性腫瘍の手術を指導している。未だ手術手技に習熟しているとは言えない研修医でも,腫瘍を完全に摘出し,かつ,顔面神経を確実に保存できるように,われわれはbipolar coagulator(以下,バイポーラ)を用いた手術を指導している。基本的な手術手順は多くの成書に述べられている通りであるが,本稿では,われわれが研修医に指導している具体的な手技上のポイントについて,多形腺腫の浅葉(部分)切除を例として写真で示した。
手術:皮膚切開は,耳珠の先端を切開するcos-metic incision (図1)を用いたS状切開を基本とする。この皮切は,一般的な耳前部切開と比較して術後の切開創が目立たないので,好んで用いている。耳下腺後縁と胸鎖乳突筋・顎二腹筋後腹の剥離は基本的に電気メスを用いる。
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