特集 外傷と耳鼻咽喉科
1.耳
2.外耳道
1.外耳道損傷
麻生 伸
1
1富山医科薬科大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.20-23
発行日 1997年5月30日
Published Date 1997/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901591
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■はじめに
外耳道の外傷を起こす原因は,器物や異物が直接外力を及ぼす直達性損傷と,主に頭部外傷に伴う介達性損傷に分類することができる。前者には耳掃除(耳垢除去)の際に生じるものが多いが,鼓膜穿孔を伴って初めて耳鼻咽喉科を受診することもある。日常臨床では明らかな外傷よりも,むしろ耳垢除去後に生じた外耳道炎の状態を診察することのほうが多いと思われる。また耳鼻咽喉科医の耳処置中に患者が動いて外耳道を損傷することもある。一方,介達性損傷は側頭骨骨折に伴うことが多く,頭蓋内血腫,内耳損傷,顔面神経麻痺,鼓室内血腫などを合併している症例も少なくない。以下に主な症例を呈示し,治療の実際などについて述べる。
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.