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はじめに
比較的予後が良いとされる声門部喉頭癌症例のうちでも,特にT1の早期声門部喉頭癌は,頸部リンパ節転移および遠隔転移が少なく,予後の良い悪性腫瘍と考えられている。また,早期声門部喉頭癌の治療は,喉頭の機能温存をはかるために,放射線治療が行われることが多く,治療成績もほぼ満足すべきものと考えられている1〜10)。しかしながら,レーザー治療の発達により,最近では放射線治療を行わずレーザー手術のみで早期声門部喉頭癌の治療を行っている施設もある11〜16)。
われわれの施設では,これら早期声門部喉頭癌に対し,原則的に放射線治療を主として用い,照射のみでは治療効果が不十分であると考えられる症例に対しては照射期間中にレーザーによる減量手術を行っている。今回われわれは,1979年から1992年までの約14年間に,当科で一次治療を行い,2年以上経過観察のできた早期声門部喉頭癌(T1N0M0)40例について検討を行ったので報告する。
From 1979 through 1992, 40 previously untreated cases of T1N0M0 early glottic carcinoma (T1a: 30, T1b: 10) were treated at our department. They were treated mainly by radiotherapy (including FAR) and/or radiotherapy combined with laser excision. Tumor control rate for T1 glottic car-cinoma was 90.0% (36/40). Four patients relapsed after the initial treatment; 2 local recurrences and 2 cervical lymph node metastases. Although 2 cases were salvaged with further treatment, 2 cases died of late stomal recurrence and unresectable cervical node metastasis.
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