増刊号 こんなときの対応法がわかる 耳鼻咽喉科手術ガイド
Ⅳ.喉頭・下咽頭の手術
声門癌:喉頭垂直部分切除術
藤本 保志
1
1名古屋大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科
pp.222-225
発行日 2015年4月30日
Published Date 2015/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200617
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症例呈示
68歳,男性。喉頭癌(声門癌)rT2N0M0。喫煙は30〜40本/40年,機会飲酒のみ。職業は自営業である。
前医にて5年前に声門癌T1aN0MOにて放射線治療70Gyを受けCR。2年前より経過観察が中断していた。禁煙はしていなかった。嗄声増悪があり前医を再診した。右声帯に腫瘤性病変を認め,生検にて扁平上皮癌再発と診断された。喉頭全摘を勧められ手術予定となっていたが,喉頭温存を希望して当科を紹介されて受診となった。造影CTでは声門下進展を認め,rT2と診断した(図1)。頸部リンパ節転移は認めなかった。胸部単純CTにて肺転移を認めなかったが肺気腫様であり,肺機能検査では軽度の閉塞性障害を認めた。心機能には問題はなかった。また,上部消化管内視鏡検査では多重癌は認めなかった。
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