Japanese
English
講座 頭頸部外科に必要な局所解剖・17
咽頭(4)—リンパ系
Pharynx (4):Lymphatic system
佐藤 達夫
1
,
坂本 裕和
1
1東京医科歯科大学医学部第2解剖学教室
pp.837-840
発行日 1994年9月20日
Published Date 1994/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900992
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咽頭のリンパ管
咽頭では,全体にわたり粘膜にリンパ管網が発達している(図1)1)。粘膜リンパ管は層をつくり,深層ほど太く,網目があらくなる。部位別にみると上部の後壁および口蓋扁桃付近,すなわちWal-deyer扁桃輪のあたりでは密度も大で管腔も広く,梨状陥凹の付近がこれに次ぐ。また側方と正中部とを比較すると,密度と太さは側方で大で,正中部で小となる。咽頭の前壁,後壁のいずれにおいても,粘膜リンパ管には正中線で左右の交叉が認められる(図22),ただし壁外に出てしまうと左右の交叉はない)。以上から,上方の後壁,口蓋扁桃付近,梨状陥凹,側縁が咽頭リンパ管の流出路として大切なことが予想できる。
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