Japanese
English
講座 頭頸部外科に必要な局所解剖・10
頸部のリンパ系
Lymphatic System of the Neck
佐藤 達夫
1
,
坂本 裕和
1
1東京医科歯科大学医学部第2解剖学教室
pp.967-973
発行日 1993年11月20日
Published Date 1993/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900837
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これまで,このシリーズの総論として,筋,筋膜,動脈,静脈,神経について系統的に説明してきた。リンパ系がその最後となったのは,これらの系統との位置関係を配慮しながら解説するのが分かりやすいからである。近年,癌の外科療法が格段の進歩をとげているが,拡大根治手術にせよ,機能温存手術にせよ,その基盤として最も重要なのはリンパ系の局所解剖である。今回は頸部のリンパ系について,できるだけ実際の剖出所見を示説しながらあらましを述べることにしたい。なお参考までに,頭頸部悪性腫瘍取扱い規約のリンパ節分類の図(図1)1)をかかげておく。
頸部ではリンパ系がよく発達している。リンパは主として下方に流れ,左右の静脈角に達する。下行するリンパ節鎖の分類は従来2つの視点から行われてきた。
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