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OK-432の局注療法が奏効した頸部嚢胞性リンパ管腫の1例
江上 将平
1
,
本田 治樹
,
横山 知明
,
杉浦 丹
1静岡市立清水病院 皮膚科
キーワード:
Picibanil
,
MRI
,
頭頸部腫瘍
,
病巣内投与
,
リンパ管腫-嚢胞性
Keyword:
Head and Neck Neoplasms
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Injections, Intralesional
,
Lymphangioma, Cystic
,
Picibanil
pp.762-763
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016318362
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61歳男。3年前より出現した右鎖骨上窩の腫脹を主訴とした。右鎖骨上窩に鶏卵大の波動を触れる緊満性の皮下腫瘤を触知した。超音波検査で皮下に隔壁を有する多房性の低エコーの嚢胞性病変を認め、内部に血流はなかった。穿刺吸引細胞診を施行したところ、内容液は黄色漿液性で、多数のリンパ球を認めた。MRIでも右後頸三角領域に液体成分を入れる嚢腫性の脈管構造を確認した。嚢胞性リンパ管腫と診断し、20Gのサーフロー針で穿刺し、外筒を残したまま内筒を抜去し、シリンジで内容液を16ml吸引した。続いて、シリンジを付け替えて0.1KE/mlのOK-432(抗悪性腫瘍溶連菌製剤)を等量注入した。その夜、軽度の発熱を認めたが、翌日に解熱した。患部の腫脹も1ヵ月後に殆ど消退し、処置後3ヵ月のMRIで嚢胞性病変は著明に縮小していた。
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