鏡下咡語
1万分の1の魂—WHOの難聴予防
鈴鹿 有子
1
1WHO PDH
pp.74-75
発行日 1993年1月20日
Published Date 1993/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900672
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「医者を辞めたと聞いたんですが……」「とんでもない。白衣を着なくなっただけですよ」World HealthOrganization (WHO)世界保健機関ジュネーブ本部事務局で難聴予防科Prevention of Deafness and HearingImpairment (PDH)のコンサルタントを担当してほぼ1年が経とうとしている。
WHOは「全ての人民が可能な最高の健康水準に到達すること」の世界保健機関憲章の第1条に基づき国際保健事業の指導,調整などを主な仕事としている,いわば世界の厚生省にあたるところ。スイス,ジュネーブの本部事務局のほか世界を6地域に分け,それぞれに地域事務局が置かれている。本部はHQ (headquarters)として36の分野,122の科に分かれている。現在HQの職員は約2千人で,その1/3が事務職以外の直接プログラムを担当しているofficerである。PDHは健康促進部に所属しており,それは後にも先にも私一人の最小ユニットなのである。
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