目でみる耳鼻咽喉科
舌根部髄外性形質細胞腫
曽根 三千彦
1
,
柳田 則之
2
,
小出 純一
2
,
上田 幸夫
3
,
伊藤 麻子
3
1名古屋大学医学部耳鼻咽喉科
2社会保険中京病院耳鼻咽喉科
3岐阜県立多治見病院耳鼻咽喉科
pp.828-829
発行日 1991年11月20日
Published Date 1991/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900447
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骨髄腫は形質細胞の腫瘍性増殖を本態とする疾患である。軟部組織に原発する髄外性形質細胞腫は,全形質細胞腫の数%であり比較的稀な腫瘍であるが頭頸部領域では鼻副鼻腔領域の報告が多い。最近われわれは,稀な舌根部原発髄外性形質細胞腫を2例経験した。
症例1 72歳男性,主訴は咽頭異物感,血痰。初診時舌根部に拇指頭大の有茎性腫瘤を認めた。図1はその頸部CTである。舌根部に隆起性腫瘤を認める。生検では,図2のごとく,円形の核を有し核周のゴルジ野が発達した細胞を認め,細胞密度が高く異形性もあり,その細胞形態から形質細胞腫と診断された。骨髄検査は異常なく,Bence-Jones蛋白は陰性,全身骨X線像,Gaおよび骨シンチも正常であり,酵素抗体法にてIgG—λ型の髄外性形質細胞腫と考えられた。
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