特集 外来診療マニュアル—私はこうしている
I.症状の診かた・とらえ方—鑑別のポイントと対処法
2.耳出血
牧嶋 和見
1
1産業医科大学耳鼻咽喉科学講座
pp.12-14
発行日 1991年11月5日
Published Date 1991/11/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900365
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耳出血とは
出血とは,血液の全成分が血管外に出ることをいい,血管壁の破綻と漏出がある.破綻性出血は,切創や裂創などの直接損傷により,また周囲組織の病変が血管壁を侵蝕することにより発現する.一方,濾出性出血は,循環不全,血管壁の変化,血圧亢進などにより発現する.
出血には,動脈性出血,静脈性出血,毛細血管性出血があり,その結果としていわゆる大小の出血(bleeding),点状出血(petechia),斑状出血(ec-chymosis),出血浸潤(suggillation),血腫(hematoma)などとなる.
したがって日常臨床で診る耳出血とは,耳の各解剖学的部位からの上述の出血であり,それに加えいわゆる血性耳漏を含んで取扱うこととなる.
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