トピックス 高齢者と耳鼻咽喉科・愁訴と対応
聴覚障害
佐藤 恒正
1
1東京警察病院耳鼻咽喉科
pp.189-195
発行日 1991年3月20日
Published Date 1991/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900253
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
近年,高齢化社会の到来に伴い,最近の統計1)によると難聴者群の半数以上が高齢者で占められる一方,70歳以上の高齢者の主訴の半数は耳に関する訴えである。そこで耳鼻咽喉科医がこれら老年者の難聴に適切に対処することは,社会的にきわめて重要な責務である。しかし,老年者の難聴は若年者の難聴と異なる幾多の特徴を有するために,これらの特徴を十分に熟知しておく必要がある。
ここでは,まず,老年者に特有の聴覚像ならびにそれを裏づける聴覚系の病理組織像について述べ,さらに老年者に対する特有な対応法,補聴器に関する注意事項などについて述べる。
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.