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入門講座 感覚障害とリハビリテーション・1【新連載】
聴覚障害
Hearing disability
進藤 美津子
1
Mitsuko Shindo
1
1昭和女子大学人間社会学部福祉社会学科
1Department of Social Welfare, Showa Women's University
キーワード:
聴覚障害のタイプ
,
聴覚障害児者への支援
Keyword:
聴覚障害のタイプ
,
聴覚障害児者への支援
pp.745-749
発行日 2018年8月10日
Published Date 2018/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201389
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はじめに
聴覚は,人間が音声言語によるコミュニケーションを行ったり,音の情報によって周囲の状況を理解したり,音楽を楽しむことができる重要な感覚である.乳幼児期から聴覚障害が生じると,耳から得られる音やことばの情報の受信に制約があるため,音声言語の発達が遅れてしまう.学童期から成人期に聴覚障害になると,音声言語のコミュニケーションに支障が生じるとともに,心理面では孤独感や寂寥感が強くなり社会的な活動に影響が出てしまう.
21世紀に入り,補聴器の技術革新によるフィッティングの進歩や人工内耳埋込み手術による聴覚補償がなされ,重度の聴覚障害があっても残存聴力の活用が期待されるようになった.一方,かつてろう教育において使用が禁止されていた手話は,ろう文化の広がりとともにろう学校幼稚部から導入する学校がみられるなど,教育や医療・福祉・コミュニケーションなどの領域で普及してきた.
聴覚障害の発見については,検査法および機器の技術開発により,検査の実施や判定が容易になり,早期発見が進み,聴覚障害児の訓練・指導,聴覚障害児者への支援が展開されてきた.本稿では,聴覚障害の種類とその対策などリハビリテーションや支援を中心に取り上げることにする.
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