今月の主題 リハビリテーションの現況
症候とリハビリテーション
聴覚障害
鈴木 淳一
1
Jun-ichi Suzuki
1
1帝京大学医学部・耳鼻咽喉科
pp.476-478
発行日 1982年3月10日
Published Date 1982/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217680
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聴覚障害の種類,程度,特徴―ひとに見えない障害
聴覚障害は,視覚障害と違って,いわば「見えない障害」,すなわち,まわりの人にとってわかりにくい障害である.盲人は,立居も不自由ということで周囲の同情をひくのに,難聴者は"勝手つんぼ"などといわれ,しばしば同情よりは反感さえ買うことのあるのは不可思議である.聴覚障害は,ある程度かくすことができるし,かくしたい心理が障害者の多くに認められる.これは,他の多くの障害と異なる大きな特徴であり,障害発見とその治療,リハビリテーション実施上の大きな困難の1つである.聴覚障害は,視覚障害とは異なった,しかし,同様にあるいはそれ以上に重大な障害である.
難聴を分類して,
中枢性難聴 内耳性難聴―感音性難聴
外・中耳性難聴―伝音性難聴
のように大別することができる.このうち,声を大きくさえすれば理解できるのは,外・中耳性難聴(伝音性難聴)である.
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