トピックス 鼻茸
鼻茸の研究と臨床の流れ
佐々木 好久
1
1明海大学病院耳鼻咽喉科
pp.1135-1140
発行日 1990年12月20日
Published Date 1990/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900203
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はじめに
鼻茸は嚢胞形成性,線維性または浮腫性のものにも,好酸球の浸潤しているものが多い。また肥満細胞,形質細胞,好中球,リンパ球が多く存在している。鼻茸中には鼻茸内で形成したと考えられるIgEが存在し,ヒスタミン量も他の鼻粘膜組織に較べて圧倒的に多い。これらの特徴は鼻茸がアレルギー反応によって発生し,アレルギー反応の場となっているとの印象を受ける。
しかし臨床的にアレルギー性鼻炎に合併している鼻茸は極めて少ない。むしろ多くの鼻茸は副鼻腔炎に合併している。またアレルギー性鼻炎よりも喘息患者での鼻茸合併率が有意に多い。この喘息でもアレルギーテスト陰性者の方にテスト陽性者よりも鼻茸合併率が多い。
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