鏡下咡語
邦楽と喉頭
新美 成二
1
1東京大学医学部音声言語医学研究施設
pp.160-161
発行日 1990年2月20日
Published Date 1990/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900028
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ある時アメリカからきたVoice Trainerと話をした。彼女は元は声楽家であったが,現在は自らは歌うことをやめて,発声法の指導者として活躍をしている。またこの分野では珍しく発声法を自然科学の手法を用いて明らかにしたいという希望を持った人である。そこで話題になったことは「伝統的歌唱法」と云うことである。
一般的に,歌の様な舞台芸術であろうが,工芸のような造形美術であろうが各民族は独特な美的感覚を持っておりそれに見合った評価を下す。その評価に耐えたものは伝統として永続するし,しからざるものは一時的なはやりとして忘れ去られて行く。
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