- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
先日,久しぶりに共通テスト(旧・センター試験)に立ち会いました。幸い,天候に恵まれ交通機関のトラブルもなく,新型コロナ感染症の罹患者や濃厚接触者も発生せず,2日間滞りなく終えることができました。みんな,マスクをしたままで普段の実力を出し切れたかな? 娘たちの受験を思い出すと胸がギューと締め付けられます。政府は5月8日に新型コロナを2類から5類に移行する方針を決定し,マスクについても「屋内外を問わず,着用を個人の判断に委ねることを基本にするよう見直す」とのことです。卒業式ではマスクをしなくてもよいかもしれないけれど,受験の直前に新型コロナに罹患して折角の努力が水の泡になってしまわないか心配です。個人的には,当面,電車やバス,飛行機など,公共交通機関のなかでは引き続きマスク着用を続けてほしいなと思っています。
さて,試験といえば,耳鼻咽喉科の専門医試験で内視鏡画像を呈示された場合は,その疾患のことを全く知らなくても,選択肢のなかから消去法で正答に辿り着くことはできますが,日常診療ではそうはいきません。また,われわれの世代と違い,最近の専攻医は外切開の手術を経験せずに,内視鏡下で耳,鼻,咽頭,喉頭の手術を学ぶようになっています。目の前に見える構造物の裏に何があるのか? 副損傷を未然に防ぎ,効率良く,安全・安心な手術を行うためには,内視鏡下手術に特化した解剖の知識が求められます。そこで,本特集では「内視鏡所見カラーアトラス 見極めポイントはここだ!」と題し,外耳道,中耳,鼻副鼻腔,喉頭・下咽頭,上咽頭・中咽頭に分けて,各領域のエキスパートに見逃してはいけない鑑別疾患や,内視鏡手術で肝となるランドマークの画像を取り揃えて解説していただきました。これから専門医を目指す先生,指導医を目指す先生は勿論のこと,クリニックで診療されている先生にもきっとお役に立つと思います。ぜひ,ご通読をお願いいたします。
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.