- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
6月下旬,第81回耳鼻咽喉科臨床学会総会・学術講演会に次期米国耳鼻咽喉科学会理事長のCarol Bradford先生(Michigan大学),7月上旬は第31回日本頭蓋底外科学会に前米国頭頸部癌学会理事長のEhab Hanna先生(MD Anderson Cancer Center),7月中旬には第17回日本臨床腫瘍学会学術集会に来年の国際頭頸部癌学会会長Robert Ferris先生(Pittsburgh大学)と,米国頭頸部癌学会のビッグネームが相次いで来日し,日本に居ながら最先端の頭頸部癌の情報を世界のトップクラスから学べる実に贅沢な1か月でした。ちなみにCarol先生は「米国における女性頭頸部外科医のキャリアパス」についてもご講演されましたが,ご一緒に来られたご主人にこっそりお伺いしたところ,お子さんの送り迎えは毎日ご主人の担当だったそうです。
さて,今月号の特集は「嚥下障害を診る!—プロに学ぶ実践スキル」です。世界に類をみない高齢化を迎えたわが国において,嚥下障害は年々大きな問題となっています。本特集ではまず初めに東北大学の香取幸夫先生に嚥下障害の診療の概要を,久留米大学の千年俊一先生に嚥下機能障害の病態を解説していただきました。診断については,最初に「超高齢社会における嚥下トリアージ」と題して摂食・嚥下障害看護認定看護師の上岡美和氏に耳鼻咽喉科医による精査が必要な患者さんの振り分けについて神戸大の流れを紹介してもらい,続いて内視鏡検査と造影検査を長尾明日香先生(高知大)に,嚥下圧検査を熊井良彦先生(熊本大)に解説していただいています。治療については藤谷順子先生(国際医療研究センター・リハ科)にリハビリテーションを,小川真先生(大阪大)と内田真哉先生(京都第二日赤)にお得意の手術についてご執筆いただき,続いて病態別の対応法について認知症・高齢者を津田豪太先生(聖隷佐倉市民病院),脳卒中を國枝顕二郎先生(浜松市リハ病院),神経変性疾患を二藤隆春先生(埼玉医大川越),頭頸部癌を丸尾貴志先生(名古屋大)に解説していただいています。豪華執筆陣によりすべての耳鼻咽喉科医にとって必読の特集となりました。ぜひ,通読をお願いいたします。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.