書評
疾患別摂食嚥下障害へのアプローチ DVD 全6巻セット
山脇 正永
1
1東京医科歯科大・臨床医学教育開発学
pp.620
発行日 2021年7月20日
Published Date 2021/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202761
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本DVDを視聴して,摂食嚥下障害治療の第一人者であるそれぞれの編者の話を,本人の目の前で聞いているような感覚を持った。全編が実践的動画を含む講義形式でコンパクトにまとめられており,日常の摂食嚥下障害で直面する疾患・症候についての基本的事項から,治療・リハビリテーション・対処法まで,内容がストーリー性をもってまとめられている。摂食嚥下障害は原因疾患や障害部位によってパターンが異なり,その対応については病態のメカニズムや個人の摂食嚥下障害の特徴の理解が重要となってくる。本DVDでは疾患の病態から嚥下障害のメカニズムについて特にわかりやすく図表を使って解説されており,その鑑別のヒントや臨床上のTipsも多く示されている。
本DVDの内容は,摂食嚥下障害の頻度として最も高い脳血管障害については球麻痺と偽性球麻痺に分けて詳説されており,またパーキンソン病をはじめとする神経難病やサルコペニアについての最新の内容も盛り込まれている。さらに,小児疾患による嚥下障害,頭頸部手術後の嚥下障害など,普段はあまり指導されることのない(日常臨床ではしばしば経験されるが,その内容を指導してくれるエキスパートがいない)分野もカバーしている。
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